106期生(ガールズ)在校時成績とデビュー期成績推測 (H26.4.30)

5月から106期生がデビューします。106期生も昨年の104期生同様、男子より2ヶ月早い5月デビューとなります。
今回も 106期生デビュー期の成績を推測してみます。

1. 在校時の競走訓練得点とデビュー期競走得点の関係

ガールズケイリンはライン戦ではなく、点と点の戦いであるためデビュー後も競走スタイルに変わりがなく、脚力がそのまま成績となります。 したがって 男子の"競輪"と違って、在校時競走訓練の得点(平均点)でデビュー期成績を推測できます。

右に 昨年デビューした104期生の「在校時の競走訓練得点とデビュー後4ヶ月間の競走得点 の散布図」を示します。

デビュー後4ヶ月間の得点を従属変数、在校時の競走訓練得点を独立変数として回帰分析で関係式を求めると、 次の(A)式 となります。(グラフ内に赤線で示します。)

 Y = 1.465 * X - 60.12    ----- (A)
  Y : デビュー後4ヶ月間の競走得点
  X : 在校時の競走訓練得点

基本的にはこの式を106期生のデビュー期成績の見積もりに利用します。
しかし 在校時の競走訓練得点は、同期内での相対的な点数です。 104期生と106期生の間には若干のレベル差があるので、 それを調べて式に補正を加えて、 106期生のデビュー期成績の見積もりに使用します。

2. レベル差の補正

106期生には、後述する小林優香選手、石井貴子選手の存在もあり、全体としても104期生よりさらにレベルアップしているように感じます。

在校時記録会の400mタイムのデータで、106期生と104期生のレベル差を具体的な数値で算出し、これで、 106期のデビュー期の成績を推測する元データとなる 「在校時の競走訓練得点」を補正することにします。

「競輪分析データNo.31 104期(ガールズ)生在校時成績とデビュー期成績推測表1.」 および、 下の 表1. のデータから、104期生と 106期生の 400mタイムと 競走訓練得点 の平均値(μ),標準偏差(σ) を計算すると、

在校成績:400mタイム
平均値(μ) 標準偏差(σ)
104期生26.67 秒 1.057 秒
106期生26.13 秒 0.892 秒
在校成績:競走訓練得点
平均値(μ) 標準偏差(σ)
104期生75.38 点 2.046 点
106期生75.28 点 2.382 点

となります。400mタイムにおいて、106期生は 104期生に対して平均値で 0.54秒(=0.51σ) 速くなっており、 106期生は 104期生より 若干優れているようです。
これをレベル差とみなし、106期生は 競走訓練得点の平均点が、104期生の平均点より 0.51σ だけ高くなるように補正 を行ないます。
104期生の 平均点は 75.38点を 0.51σ(=1.04点) アップさせると、76.42点となります。 従って、106期生の 競走訓練得点の平均値(75.28点)が 76.42点になるように、+1.14点を 106期生の得点に 加算する補正 を行います。

3. 106期生デビュー期の成績推測

補正を加えた 上の(A)式は、

 Y = 1.465 * (X+1.14) - 60.12    ----- (B)
  Y : デビュー期の推測競走得点
  X : 在校時の競走訓練得点

となります。これを106期生のデビュー期の競走得点を推測する式とします。

また、104期生の実績から「推測競走得点 → 推測能力値」の変換には 次の(C)式を使って計算します。

 Z = Y - 28.5    ----- (C)
  Z : デビュー期の推測能力値
  Y : デビュー期の推測競走得点

下の 表1. に 106期生 在校時成績と、上 (B)式,(C)式で求めた推測値を記載します。
この推測能力値は、電子競輪新聞の106期生の初期能力値として使用します。

4. 総合点(参考データ)

男子選手のデビュー期の成績を推測するために、

「在校時成績と実戦成績の相関式」
  ・総合点 = 在校時の[連対率+(先行率x3)−(400mタイムx30)+1000]  ---- (D)
   (競輪分析データNo.6 「84期生在校時成績 VS デビュー戦成績」参照)

で求めた 総合点を 利用していますが、今回も 参考データ として この式で計算した総合点を 下の 表1. に付加しました。
選手のパワー(自力選手としての脚力)を推測するのは、競走訓練の平均点より こちら総合点の方が優れていると思います。

総合点は 小林優香選手551点でトップ、石井貴子選手540点で2位でした。
小林優香選手は、女子で初のゴールデンキャップ獲得者であり、なおかつ在校中3回の獲得という記録を作った選手です。
石井貴子選手は、卒業記念レースで小林選手を抑えて完全Vを達成した選手です。
この2人は2月末の世界選手権にも、日本代表でチープスプリントにチームを組んで出場した選手です。
デビュー後の、加瀬加奈子選手(102期)、石井寛子選手(104期)との対戦が大変楽しみです。

[ 表1.]   106期生 在校時成績とビュー期成績推測  
選手名年齢府県在校成績 総合点
順位
総合点能力値
推測
競争得点
推測
在校
順位
平均点レ-ス
1着
2着
3着
バック
決まり手400m
タイム
先行捲り追込
小林優香20福岡180.005849533521141924.08155130.2558.75
高木真備19東京278.9467352083121161825.16346628.7057.20
石井貴子24千葉378.675631127392416324.85254028.3056.80
長澤彩25愛知478.1162241313208101925.99437627.4855.98
山本奈知27千葉576.5864102013151021825.86734125.2453.74
奥井迪32東京676.2958121213171021225.58536124.8153.31
竹井史香19香川776.0162613244211626.15926524.4052.90
高橋梨香34埼玉875.83679151310451526.83827524.1452.64
飯田よし23東京975.0267216180011726.091124422.9551.45
金田洋世28神奈1074.6660215111021526.161024822.4350.93
濱田瞳23青森1174.4165413131980925.55634722.0650.56
小川美咲19静岡1274.24621617000726.451421721.8150.31
宮安利紗22愛媛1373.56671109211926.831322020.8249.32
山路藍27京都1473.22661511000626.041222720.3248.82
青木美優20栃木1572.62623870011027.581719019.4447.94
上原七衣28新潟1672.5364046100427.881817419.3147.81
高橋千秋23福岡1772.5261435001626.471521719.2947.79
山本レナ19京都1871.8766043100426.801620618.3446.84

※ --- 山本奈知選手は、在学中は 篠塚奈知 という名前でした。

5. 104期生のデビュー期実績

表2. 104期生デビュー後4ヶ月間の実績
選手名推測得点出走数実績得点得点差
石井寛子56.311857.000.69
山原さくら54.332655.921.59
梶田舞52.392155.002.61
田中まい53.902753.63-0.27
矢野光世52.272953.341.07
奈良岡彩子50.752451.130.38
三宅愛梨53.382750.96-2.42
杉沢毛伊子51.733050.80-0.93
小坂知子48.322450.422.10
石井貴子51.042749.78-1.26
手柴敦子48.703048.830.13
猪子真実49.012448.67-0.34
明珍裕子50.923548.34-2.58
青木志都加49.893047.93-1.96
猪頭香緒里49.992946.86-3.13
倉野由紀49.442446.54-2.90
井上玲美48.772545.40-3.37
菅田賀子48.292644.50-3.79

104期生のデビュー後4ヶ月間(2013年5月10日 〜 9月2日)の実際の成績を右の 表2. にまとめました。 表における項目は、

推測得点
「競輪分析データNo.31 104期(ガールズ)生在校時成績とデビュー期成績推測」で求めた推測得点。
出走数
デビュー後4ヶ月間のレース出走数。
競走得点
デビュー後4ヶ月間の競走得点。
得点差
デビュー後4ヶ月間の競走得点 と 推測得点の差。

です。上から競走得点の高い順に並べています。